新・きいのバレエとゴハン帳

【観賞記録】ベジャール・バレエ・ローザンヌ「アリア」「出口なし」「火の鳥」

土曜日はいつものお稽古はお休みして、
ベジャール・バレエ・ローザンヌの舞台を観に
上野までお出かけしてきました。

BBLの公演や、ベジャール関連の舞台は
できるだけ観に行くようにしています。

母親には心から感謝していますが、
子どものころ、ベジャールの公演があるたびに
連れていってくれたのでした。

ドンのボレロは何回観たことか…。
家で「ボレロごっこ」と言って
ラヴェルの音楽を流して、真似しながら
母と一緒に汗かきつつ踊ったものです(笑)



さて、今回観てきた演目はこちら。

===

モーリス・ベジャール・バレエ団 2010年日本公演
@東京文化会館

「3人のソナタ」
~ジャン=ポール・サルトルの「出口なし」に基づく~
振付:モーリス・ベジャール
出演:ドメニコ・ルヴレ、カテリーナ・シャルキナ、エリザベット・ロス


「火の鳥」
振付:モーリス・ベジャール
出演:那須野圭右(火の鳥)、オスカー・シャコン(フェニックス)ほか

「メフィスト・ワルツ」
振付:モーリス・ベジャール
出演:ダヴィッド・クピンスキー、キャサリーン・ティエルヘルム

「アリア」
振付・演出:ジル・ロマン
出演:フリオ・アロザレーナ(彼)、ジュリアン・ファヴロー(他者)
エリザベット・ロス、ダリア・イワノワ、カテリーナ・シャルキナ(アリアドネたち)ほか

===

ジル・ロマン振付の「アリア」は、
映画『ベジャール、そしてバレエは続く』を観たときから
ずっと直に観たいと思っていた作品でした。


おもしろかったのが、一緒に行った彼の感想。

「女性のバレエダンサーを
セクシーだと思ったのって初めてだった。
あんなふうな動きもできるんだね。
すごくかわいくて色っぽくて、いいねえ~(笑)」

と言ってて笑ってしまったのですが、
よく考えると、これはジル作品とベジャール作品の違いを
けっこう明確にする言葉のように思えています。



ベジャールの作品に共通してあるのは
「死の香り」のように感じています。

地中海で生まれ育ったベジャールは
色鮮やかで明るい色彩感覚に恵まれていて、
彼の舞台は、原色に近い鮮やかな色合いで満ちていますし、
コミカルな要素も含んだ作品も多いです。

でも、どんな作品を観ても、それが明るければ明るいほど、
幕が下りたあとに、真っ暗な舞台に立ち、
ひとり笑顔で佇むベジャールの姿が見えてくるような気がするのです。

美しいなー、素敵だなー、と思って観ていますが
観終わったあと、どことなく寂しい気持ちになります。
「なんか今日は一人でいたくないな」と思ったりします。

華やかな舞台の幕が下りたあとの
絶望的な孤独を彷彿とさせる舞台。

それはどこか人間の一生にも通じているので
「死の香り」という感覚があるのかもしれません。

彼の死生観が、色濃く反映されてた作品たち。

この世界観に魅せられたから、
寂寥感も含めて、私はベジャール作品が大好きです。



でも、ジル・ロマンの「アリア」は、
(ちょっと言葉を選ぶのが難しいですが)
もっと健康的だし、生命力がある気がするのです。

選んだ素材は神話の世界で、
それを通しての自己探求につながっているのですが、
そのアプローチは、どこまでもアグレッシヴ。

生命力をわかりやすく感じるために
振付はダイナミックで、セクシー。
官能に反応することで、人の心は(体も)反応するし、
それは「生きる」ことを感じるための手段でもあります。

その手段を用いて、
ぐいぐいと全身を揺さぶってくれる心地よさがあり、
だからエリザベット・ロスを「かわいい人だなぁ」とか
シャルキナを「色っぽいなぁ」とか感じるのだと思います。

確かにこれは、
今までベジャール作品を踊るBBLダンサーには
あまり感じたことのない感情かもしれません。
ダンサーたちに対しては、個々の生命がもつ
そのものの色気にハッとするような感覚を抱いてきました。

でも、それは精神的な色気のようなものだし、
ベジャール作品においては、死のギリギリ一歩手前の生命が放つ色気です。
今回の「アリア」での身体的な色気は、もっと直接的で
アグレッシヴに感じたのでした。

この世界観はけっこう新鮮で、
ベジャール作品とはまったく違う魅力を感じて
ジル作品がもっと観たい!と思うのと同時に、
ますますBBLダンサーたちのスゴさに圧倒されました。

BBLの今後がますます楽しみです(^-^)



「火の鳥」の素晴らしさは言わずもがな。
ストラヴィンスキーの曲にあわせた「火の鳥」は
古典バレエ作品でも存在していますが、
やっぱりベジャールの「火の鳥」は格別。
終わった瞬間に、魂が燃えるような感覚があります。

那須野さんも素敵でしたが、
フェニックス役のオスカー・シャコンの若々しい存在感は、
生命力の復活を感じさせてくれる踊りだったように思います。

「3人のソナタ」は観たかった作品。
演劇的要素も強く、振付も純クラシックのパが多くて
若きベジャールの意欲が感じられます。
もう最近では観られない作品をリバイバル上演してくれる機会が
これからも増えるといいなあー。

そして「メフィスト・ワルツ」は
もともとプログラムになかった演目でしたが、
特別上演された作品でした。
こういうサプライズは本当にうれしいです。
なかなか残酷な話なのですが、コミカルな要素もある小品でした。



もう一度「アリア」が観たくて
今度DVDで購入しようかなと計画中です。

モーリス・ベジャール・バレエ団「アリア」 [DVD]

コロムビアミュージックエンタテインメント




今週は仕事がバタバタで
あんまりお稽古には行けないのですが…
お家で軽くポワントレッスンして息抜きしてます。

週末のレッスン目指して、がんばります!

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by serenade1977 | 2010-11-17 13:24 | バレエ鑑賞

趣味のクラシックバレエ、仕事(フリーライター)を通して、気付いたことを書いていきます。人生観や恋愛観、勉強中の英会話、おいしいもの、たまに欧州サッカーも。
by きい
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はじめまして、きいです。

趣味は18年続けているクラシックバレエ(ブランクあり/今は大人バレエ)。

週3回程度のお稽古も、発表会で踊るのも、公演を観に行くのも、家で作品DVD観るのも、関連書籍を読むのも全部大好きです。

好きなダンサーは、ロパートキナ、A・デュポン、コジョカル、ブベニチェクふたりとも、マックレー。バリシニコフは別格です。

バレエの記事が中心ですが、仕事(フリーライター・編集者です)について、人生・恋愛観、英語勉強中についても多め。たまに欧州サッカーも!

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